4月読んだ本

 

 
「とおくはなれてそばにいて」

 

とおくはなれてそばにいて―村上龍恋愛短編選集

とおくはなれてそばにいて―村上龍恋愛短編選集

 

 

村上龍の恋愛小説って新鮮じゃね、と思って図書館で借りてみたが安定の村上龍だった。
コインロッカーベイビーズや限りなく透明に……とか好きだったけど少し期待しすぎた。金銭感覚がバブルっぽいというか、謎のスノビズム全開。村上龍の描く東京って私の暮らす東京じゃないみたいであんまり共感しにくいんですよね…。雰囲気が金原ひとみに似てるなと思いました。
 
アンナカヴァン「愛の渇き」

 

愛の渇き

愛の渇き

 

 

カヴァンの本、ほんとうに好きだ…あんまり他人に言いにくいけど…磁力みたいに惹きつけられるものは何なんだろう。視点が説明無しにコロコロ変わるんだけど、読みやすいのが不思議。
他のカヴァンの作品にくらべて、一人一人の登場人物の描写がこまかい!おのおのストーリーがあって、みんな何かを抱えているわけだが…こんなことってあります?みたいな展開w
かわいそうな少女、自分の美しさに溺れて周りを抑圧する母親…読みながら勝手にジブリっぽい画風で妄想しました。本当に美しい…!
 
登場人物たちは一貫して誰かを欲したと思えば、その次の瞬間には手放したり……、もう神経質すぎるくらい愛に執着している。これぞカヴァンの作風だがカヴァン自身の幼い記憶が投影されていると思うと、なんともやりきれない気持ちになる。
 
 
「三番目の魔女」

 

三番目の魔女

三番目の魔女

 

 

シェイクスピアの「マクベス」に出てくる魔女のおはなし。酒井駒子さんの装丁が可愛いくて借りてみた。
 
マクベス知らないと楽しめないような気がする……けどマクベス出世の野心や嫉妬心の渦巻くドロドロ感はなく、昔々のいろんな童話が混ざったような不思議なお話。あと翻訳の雰囲気がハリーポッターに似ていて、ハリーポッター読んでる気分になった。
 
取り憑かれたようにマクベスを殺そうとするのだけどその理由が明らかになるのは後半。それまでは序章に過ぎない……というミステリーっぽい展開だった。
解説読んだら「マクベスはあまりにも男性視点すぎて、女性の立場で書いてみたかった」的なことが書いてあってなるほどなぁ〜と思った。シェイクスピアへの愛なんですかね…。
 
そういえばマクベス、マイケルファスベンダー主役で映画化されるらしい。イギリス人マクベス好きすぎだろ…と思いつつ夫人役とファスをニヤつきながら観たい。